■2005年2月19日号 ノロウイルス感染症

ノロウイルスの感染が心配です 

Q ノロウイルスによる胃腸炎は、老人施設での集団感染だけでなく、最近では幼児の死亡例も報道され、小さな子どもを持つ親としては心配です。罹患しないためには? またかかったらどう対処したらいいのでしょうか。(宮城野区・A)

嘔吐物・便からなどの感染にも注意
大抵の場合、命に関わることはない

 10月以降の冬期間に起こる感染性胃腸炎の原因の多くはウイルス性によるもので、ノロウイルスはその一つ。反対に梅雨時期や夏場の同様の症状は、サルモネラ菌などの細菌性によるものが多いですね。共に食品から病原体が検出された場合、「食中毒」とされます。
 主な症状は嘔吐、下痢。発熱が見られる場合でも、あまり高熱は出ません。症状は2〜3日でおさまりますが、3〜7日は便中にウイルスが留まります。軽減後にも、便などからの感染に注意が必要です。
 ノロウイルスを体内に蓄積しやすいというカキなどの二枚貝類の生食から感染するとも言われています。ですのでなるべく生食は避け(加熱の際は85度以上で約1分)、これらを調理した際のまな板や包丁などの扱いも気をつけてください。
 また、患者の嘔吐物や便からは少量でも感染する場合もあるので、処理の際にはなるべくビニール手袋を使用し、手洗いも十分に行ってください。消毒は塩素系消毒剤(漂白剤)を使用のこと。
 悪いウイルスを体外に排出するために嘔吐・下痢が起こるので、無理に止めないように。しかし脱水症状に注意し、吐き気や下痢がおさまったら水分の補給を。
 免疫力の低下などの場合を除けば、健康な子どもが罹患して命に関わるという事は考えにくいものです。まずは体力をつけること、そして帰宅後やトイレ使用後の手洗いを徹底させましょう。

チェック! 〜ノロウイルスによる感染性胃腸炎〜
1 
冬期間に起こる感染性胃腸炎の代表的なもの。健康な子どもが罹患しても、命に関わるほど重篤な症状にはなりにくい。
2 
嘔吐・下痢、人によっては発熱(高熱にはならない)の症状があり、2〜3日で軽快。その後3〜7日は便中にウイルスが留まるので、処理に注意を。
3 
カキなど二枚貝類の生食はなるべく避け、使用した調理器具の扱いにも注意。また罹患した人の嘔吐物・便からの感染を防ぐため、処理の際にはビニール手袋使用。手洗いも徹底のこと。
4 
嘔吐・下痢は無理に止めない。脱水症状に注意し、嘔吐・下痢がおさまったら水分を補給させること。 

 



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