■2004年11月13日号 インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチンは今年は足りる?
予防接種をしても罹患するのはなぜ?
 

Q 昨年はインエンザのワクチンが足りず、私の子どもは予防接種を受けられませんでした。今年は大丈夫ですか。また昨年、知人の子どもが予防接種を受けたにもかかわらず、インフルエンザに罹患したそうです。それはどうしてですか。(青葉区・K)

ワクチンは今年約2000万本分準備
接種を受けられない状態は考えにくい

  昨年インフルエンザワクチンが足りなかったのは、SARS(重症急性呼吸器症候群)の影響。SARSとインフルエンザの初期症状が似ているため、インフルエンザの予防接種を受けていれば、症状が出た際にSARSとの区別がつくという情報により、普段インフルエンザの予防接種を受けない多くの人が接種したためです。昨年のワクチン量は日本全国で約1500万本分でしたが、今年は約2000万本分に増加(ワクチン1本分は1?に換算。接種量は、13歳以上0・5?)。さらにSARSは落ち着いている状態なので、昨年のようにワクチンが足りなくなるという状況は、まずないと考えていいでしょう。
 インフルエンザワクチンは、鶏卵を利用して作る「不活性化ワクチン」です。ワクチンとして使えるようになるまで約半年かかり、足りないからと簡単に作れるものではないため、昨年のような状況になったと考えられます。

ウイルスの変異によってワクチンの有効性が減弱

 インフルエンザウイルスは変化しやすい性質を持ち、毎年少しずつタイプが異なります(変異)。ワクチンを作るにあたり、北半球が夏の時期の南半球のインフルエンザの罹患状況や、北半球でもまれに夏に発症する例が参考にされます。ワクチンはA型2種、B型1種の混合型で、幅を持たせた有効性を発揮するよう作られます。
 ワクチンの接種により、体の中の抗体が増えて免疫となりますが、免疫のつき方には個人差が出ることがあります。予防接種をしたにもかかわらず罹患したというケースは、ウイルスの変異によりワクチンの有効性の枠を超えた、または免疫がたまたまつきにくかったためとも考えられます。
 インフルエンザが本格的に流行するのは年明け。13歳未満は1カ月置きに2度接種しなければ抗体が出来ないので、早々に受けることをおすすめします。




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