■2003年12月6日号 解熱剤の使い方

熱があると処方される「解熱剤」 どんな時に使えばいいの? 

Q 2歳の娘が風邪をひいた時、病院で解熱剤を処方されたのですが、本人は熱があっても機嫌よく遊んでいました。このような場合でも解熱剤は使ったほうがいいの?(宮城野区・M)

38.5度以上の熱が投与の一般的な目安
熱があるために「苦しい」「眠れない」「水分を取れない」などの苦痛を取り除くために使うのが原則です

  解熱剤を使う熱の目安は一般的に38.5度以上。その熱のため「苦しい」「眠れない」「水分が取れない」などの苦痛がある時に使います。認識してほしいのは、解熱剤とは風邪などの症状を治す薬ではなく、熱を下げる薬、熱に伴う苦痛を取り除くための薬だということです。
 発熱とはわかりやすくいえば、体が病気から身を守ろうとがんばっている状態。だから熱があっても元気がある時は解熱剤を使う必要はありません。「使わないで済むなら使わない」が原則と考えてください。
 処方される解熱剤は、直腸に入れる「座薬」と、口から飲む「経口薬」の2種類。「どちらがよく効くの?」と度々聞かれますが、投与方法が違うだけで基本的には同じ薬剤。子どもが楽に受け入れることができて、確実に体内に吸収できる方を選んであげましょう。病気によっては使えない薬剤などもあるので、子どもの総合的な経過を正確に医師に伝えることも大切です。
 使う間隔や量も医師の指示に従いましょう。なかなか熱が下がらないからと、間隔をあけずに安易に追加投与するのは禁物です。 

発熱時は心地よく過ごせる対応を

 発熱時は解熱剤を使う前に、まず症状に応じた対応をすることが大切です。寒気があり顔も青白い、熱が急に上がっている時は体を温めます。この状態を過ぎて、顔も赤くなり熱さを訴えるようになったら、体を冷やしてあげましょう。熱が上がりきってしまったら、子どもが心地よく過ごせるようにすることです。食欲がなくてご飯を食べられない時は無理にコントロールせずに、アイスクリームなど食べられるものをあげていいでしょう。ただし水分の補給は絶やさぬよう意識してください。
 

チェック! 〜解熱剤とは〜
1 
解熱剤は基本的に熱を下げる薬。風邪など病気を治す薬ではありません。
2 
解熱剤を投与する一般的な熱の目安は38.5度以上。熱のために伴う苦痛を取り除くため、必要最小限の使用が原則です。
 3 
「座薬」「経口薬」の2種類があるので、子どもに合った薬剤を選んで。気軽に医師に相談をしてください。
4 
用法・用量は必ず守りましょう。


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