■2005年1月22日号 包茎と治療

子どもの包茎は、病院で処置してもらうべき? 

Q 8歳の次男が仮性包茎のようで、尿道口まわり1mm程から皮が癒着しています。自然に治るという話も聞きますが、長男の時は病院で皮をはがす処置をしました。その時の痛がり方を思い出すと、次男にはどうするべきか悩みます。たまに恥垢(ちこう)が輪のようにつき、かゆそうです。 (青葉区・K実)

ステロイドホルモン軟膏で手術なしでも緩和する傾向が

 おちんちんの亀頭の上に皮がかぶっている状態が包茎です。赤ちゃんはその状態がほとんどで、成長とともに皮がむけてくるのが一般的。小学校高学年〜中学校前半の第2次性徴スタートくらいまでにむけるようです。
 1歳〜2歳で皮を軽くむいた際に1〜2mmほどのすき間があり亀頭が見えるなら、正常といっていいでしょう。それ以上の年齢になってもむけが悪く、亀頭がまったく見えないなどの状態の時は小児科に相談を。 
 ですが子どもの包茎は病気ではないので、苦痛を与えてまで治療をするべきではないと思います。数年前から、ステロイドホルモンの軟膏を塗布することにより、包皮が柔らかくなり癒着が緩和されて、高い確率で改善が見られています。状態にもよりますが、手術は以前よりも少なくなってきています。
 恥垢の件ですが、人体から出る垢でかゆくなることはありません。かゆいのは雑菌が入った状態。包皮亀頭炎にかかると赤く腫れ、かゆみを伴い、時に膿むことも。包皮亀頭炎を繰り返すような場合には、手術も必要です。
 「ミミズにおしっこをかけるとおちんちんが腫れる」と言われますが、この言葉には不衛生なところで用を足したり、汚い手でさわってはいけないという意味も。まずは親がお風呂で皮をむくように、きれいに洗ってあげてください。

チェック! 〜子どもの包茎〜
1 

赤ちゃんは包皮で亀頭が見えないのが当たり前。むいた時に1〜2mmのすき間があれば大丈夫。成長と共にむけていき、第2次性徴前にはむけるのが一般的。親が入浴時などに、洗いながら無理なくむいてやることもおすすめ

2 
排尿時に包皮がふくらむ場合や、1歳過ぎでも亀頭がまったく見えないときには、まずは小児科へ
3 
手術を考える前に、ステロイドホルモン軟膏の塗布で様子を見る。これにより改善する例はかなりある
4 
雑菌の侵入により、包皮亀頭炎を繰り返すと、腫れ、かゆみ、痛みと共に膿むことも。これを繰り返す場合は手術も必要なので清潔に 

 



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