■2003年10月4日号 おねしょ

6歳になる息子が毎日おねしょをします。病院で診察してもらうべき? 

Q 6歳の息子は、昼のおむつは2歳で取れたのですが、夜はまだ毎日おねしょをするので、夜用おむつをして寝ています。一度病院で診察してもらうべきでしょうか。(泉区・R)

一般的に小学校3〜4年生までは心配なし
「あせらず」「叱らず」「起こさず」の3原則の心構えで、体の成熟を待ちましょう

 一般的に、排尿機能を自分でコントロールできる(おむつが取れる)時期は2歳〜3歳。3歳〜4歳を過ぎると、夜のおねしょがなくなると言われます。
 おねしょ(夜尿症)が続く場合の原因は、大きく分けて二つ。まず一つ目は、尿を長い間がまんするための「抗利尿ホルモン」の分泌が未発達なこと。そして二つ目は、ぼうこうの容積がまだ小さいために、尿を溜めておけないことです。
 これらは子どもによって個人差があり、体の成熟とともに解消するもの。必ずいつかは止まり、決して病気ではないのです。一般的に小学校3年生から4年生くらいまでのおねしょは心配ありません。大切なのは、親がそれを認識して信じて待つことです。

いろいろな工夫をすることも有効です

 おねしょに対しては、「あせらない」「叱らない」「起こさない」の3原則を頭に置いて乗り切りましょう(上記参照)。つい叱ってしまいがちですが、口に出さなくても子どもは罪悪感を感じているもの。子どもにも「必ずしなくなるよ」という認識を持たせてあげましょう。
 小学校に上がってもおねしょが続く場合は、子どもが日中トイレに行く時「10数えてからしてごらん」など、おしっこをちょっとがまんする遊びのようなものをしたり、夕食後の水分・塩分は控えるなどの工夫をしてみてください。ホルモン分泌や機能発達に効果があります。
 小学校3年〜4年生を過ぎて連日おねしょをする場合は、治療も考慮します。一般的な治療は薬物療法。最近では抗利尿ホルモンの点鼻薬も出てきました。ただし5歳〜6歳を過ぎての日中のひんぱんな失禁や便失禁を伴う場合は、早めに小児科を受診しましょう。
 

チェック! 〜おねしょへの心構え〜
1 
あせらない(ホルモンの分泌やぼうこうの機能が成熟すれば、おねしょは必ず止まる) 
2 
 叱らない(体の未発達に怒っても効果なし。叱ることは、逆に子どもにとってストレスになる可能性が) 
 3 
起こさない(生活のリズムを乱すことが、ホルモンの分泌に悪影響を与えることも。夜用おむつやおねしょシートの使用は有効です)


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