■2003年8月23日号 夏と下痢

夏に下痢になりやすいのはなぜ? 

Q 幼稚園の年長になる長男が、毎年夏になると下痢をします。今年も何度かその症状が。下痢をした後は元気なのですが、悪い病気ではないかと心配です。(青葉区・M)

他の症状がなく長く続かなければ大丈夫
バランスのよい生活で抵抗力を付けて

  「下痢は、一般的には食中毒など細菌性胃腸炎、カゼなどのウイルス性胃腸炎、生活環境によるものの三つに大きく分けられます。この中のどれに当たるかを早い段階で判断することが大切です。
 感染の場合には発熱や嘔吐、腹痛などの他の症状があり、下痢が長く続き、時には血便が出るなどがあげられます。これらの場合は医療機関へ。特に食中毒は同時に同様の症状の人がほかにもいるはず。生活環境によるものは基本的に下痢は長く続かず、ほかに症状が伴わないものです。
 対処法としては、下痢になると水分が失われるので、体液の成分に近いイオン飲料など水分の十分な補給を(乳児は医療機関に相談を)。飲んだ時に冷たくても、水分は腸に達する前に吸収されますので、飲みやすさを考えれば冷たいものでもかまいません。またおなかに負担のかからない消化のよい穀物中心の食事を。悪化する恐れのある乳製品、油っこいもの、消化の悪い海藻類や繊維の多い野菜、豆類は避けて。
 下痢の時には、すぐに下痢止めを使わないほうがいいですね。下痢は腹の中にある悪いものを外に出す働きがあります。無理に止めれば、腹痛がひどくなったり、他の病気を誘発することも考えられます。
 夏場に下痢が多くなるのは、暑くて冷たいものばかりを取りすぎ、食欲がなくなって体の抵抗力が落ちることや、不規則な生活などのためとも言えます。生活のリズムを整え、バランスのよい生活をするように心がけましょう。
 汗をかいたら、こまめな着替えや体が冷えないようにシャワーで流す、拭くなどを。寝冷えを心配するなら、親が神経質になって夜中に何度も布団を掛け直すよりも、腹巻きを付けることも工夫の一つ。「かみなりさまにおへそを取られる」というのは、冷えによる下痢を防ぐことを、子どもに教えるためだったのかもしれませんよ。
 

チェック! 〜熱中症の予防策〜
1 
細菌性やウイルス性によるものか、単なる下痢かを早めに判断する。
2 
下痢になったら、水分が失われるので十分な水分補給を。その際冷たいものでもかまわない。
 3 
生活のバランスの崩れによる体力低下で、夏場は下痢が多くなる。規則的な生活で、体を冷やさない工夫を。


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