■2005年10月22日号 自家中毒症と車酔い
自家中毒と車酔いは関係があるの?

Q 5歳の長女は、小さい頃から自家中毒になりやすいのです。これは何歳くらいまで続くものなのでしょうか。車酔いもしやすいのですが、自家中毒と車酔いは関係がありますか?(青葉区・A)

自家中毒症は、風邪などをきっかけに
血液中にケトン体が出るために起こる症状車酔いとは別もの

  自家中毒症とは、ぐったりして嘔吐を繰り返し、尿検査でケトン体(アセトン)が出る(陽性になる)病気のひとつ。自家中毒という名称は、自分の体の中での中毒の意味。別名アセトン血性嘔吐症、または周期性嘔吐症とも呼ばれます。3〜10歳位までが起こりやすいとされていますが、小学校入学ぐらいを境に起こりにくくなります。
 嘔吐以外の症状は、顔色が悪い、元気がない、悪心、腹痛などで、見た目に重症感があります。
 このような症状が起こるのは、細胞中の物質を処理するサイクルが障害され、ケトン体(代謝の中間産物のひとつ)が血液中に増えるためと考えられています。遺伝的な要素が強く、ほとんどの場合は、風邪などの感染症が誘因。割合は少ないのですが、肉体的、精神的なストレスが関係する場合もあります。
 ケトン体の増加が原因のため、単に吐き気止めの薬だけでは治りづらいもの。細胞中のサイクルを整えるエネルギーが減少しているので、それを増やすために糖分の補給が有効です。多くの場合は脱水も合併しているので、治療には点滴が必要です。軽い場合には、糖分を含んだイオン飲料などを取らせましょう。脂肪分はケトン体を増やすので与えないように。妊娠中のつわりや、飢餓の時にも、尿中ケトン体が陽性になります。
 嘔吐が続いたり、充分なカロリーが取れない場合は、悪循環を形成したり、他の病気の可能性もあるので、早めの受診を心がけましょう。
 車酔いは、聴覚器の未成熟によるものなので、自家中毒症とは別と考えていいでしょう。

チェック!
〜子どもの自家中毒症〜
1 

 周期的に嘔吐を繰り返す。尿検査でケトン体が陽性(10歳位まで)。

2 
 血中のケトン体増加による、細胞中の物質を処理するサイクルの障害が原因。
3 
 遺伝的要素(体質)、風邪などの感染症が誘因。精神的・肉体的ストレスはまれ。
4 
 治療の基本はエネルギー(糖分)の補給なので点滴が必要。 



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last update 07/01/2005

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