■2004年1月17日号 熱と入浴

初めての集団生活で、風邪などをひきやすくなるのではと心配 

Q 4歳の息子は風呂が大好き。風邪をひいて熱がある時でも必ず入りたがるのですが、こういう場合でも入浴させていいのでしょうか?(青葉区・C)

熱がある時の入浴は控えるのが原則
特に38℃以上ある場合の入浴は症状を悪化させる場合もあるので避けてください

 原則的に熱がある時の入浴は控えましょう。理由としては、風邪に限らず病気の時の入浴は体力を消耗すること、脱水傾向を助長すること、体温よりも熱い風呂に入れることで熱が上昇することなどが上げられます。特に38℃以上熱がある時の入浴は、前述のようなリスクが大きいので避けてください。
 よく「風呂に入らないと汚い」という人がいますが、極端な言い方をすれば2日〜3日入浴しなくても大丈夫。特に病気の時は目先の子どもの欲求を通してしまいがちですが、高熱の時に入浴させ症状の悪化を引き起こすリスクを考え、どちらが大切かという優先順位を意識しましょう。
 ではどんな状態になれば入浴させてもいいかということは、左上の欄の「入浴してもいい条件」を参考にしてください。一般的に子どもの微熱である37・5℃〜37・9℃は、この条件を満たしていれば入浴を考慮してもいいでしょう。
  「熱はないけれど鼻水や咳の症状がある」場合も、やはり「入浴してもいい条件」を満たしていればかまいません。もちろん鼻水・咳ともに激しい場合は控えてください。

「心の耐性」を育てましょう

 今回のようなテーマは、医学的な視点からだけではなく、しつけの一つとしてとらえることも大切ですね。子どもが強く要求してもそれが体に害を及ぼすことであれば、「病気の時は好きなことでもがまんしようね」というリスクを避ける対応を、親がしっかり選択して実践したいもの。
 このような日常的な小さなことの積み重ねが、子どもの「心の耐性」を育てていくのです。子どもの欲求と「してはいけないこと」との線引きをするのは親の大切な役割なのですから。
 

チェック! 〜熱がある時の入浴は〜
1 
原則として熱がある時は、入浴を控えましょう
2 
熱が下がって24時間経ち、下記の条件を満たしていれば入浴してもいいでしょう
・ある程度元気もある
  ・激しい症状がない
  ・食事の量は少なめでも、水分を十分摂っている 
3 
単に入浴のことだけではなく、しつけの一つとして考えて。病気の時は「がまんすることも必要」なことを、身に付けさせてあげましょう


2005年11月12日号 子どもの歯ぎしり
2005年10月22日号 自家中毒症と車酔い
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2005年7月16日号 発熱時の対処法
2005年6月4日号 日光過敏症
2005年5月21日号 停留睾丸の治療
2005年4月2日号 環境変化とアレルギー
2005年3月5日号 冷えとのぼせ
2005年2月19日号 ノロウイルス感染症
2005年1月22日号 包茎と治療

2004年12月11日号 腸の弱さとやせ
2004年11月13日号 インフルエンザワクチン
2004年10月2日号 頻 尿
2004年9月11日号 下痢と下痢止め
2004年8月1日号 スイミングスクールとプール熱
2004年6月12日号 プールと水イボ
2004年5月15日号 任意接種と予防接種の順序
2004年4月3日号 ヒューヒューと喘息
2004年3月13日号 突発性発疹
2004年2月7日号 熱性痙攣
2004年1月17日号 熱と入浴

 2003年12月6日号 解熱剤の使い方
 2003年11月8日号 頭部打撲
 2003年10月4日号 おねしょ
 2003年9月6日号 成長痛
 2003年8月23日号 夏と下痢
2003年7月12日号 外遊びと熱中症
2003年6月7日号 咳き込みと喘息
2003年5月10日号 鼻出血と病気
2003年4月5日号 集団生活とカゼ