■2003年11月8日号 頭部打撲

よく頭をぶつけてコブを作る4歳の息子、悪い影響がないか心配です 

Q 4歳の息子はとても活発。遊んでいて頭をぶつけ、大きなコブを作ることがよくあります。回数が多いと、何か悪い影響が出るのではと心配なのですが…。(太白区・C)

日常生活での頭部打撲は、その後普段と変わらず過ごしていれば心配ありません
しかし念のため半日は様子に注意を

 日常の動きの中で起こる頭部打撲は、コブの有無にかかわらず、ぶつけた後も食欲や機嫌も普通なら心配ないものがほとんどです。
 緊急を要するのは、打撲直後にけいれんを起こしたり、意識が戻らない場合。脳挫傷などの可能性があるので、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。ただこのような症状は日常生活の中で起こることは珍しく、多くは高所からの落下や車との接触などの大きな衝撃が原因となります。またおう吐や顔面が蒼白になるなどの症状は一時的なものがほとんどですが、念のために小児科を受診しましょう。特に症状がないけれどどうしても心配という時も、受診してもいいと思います。
 打撲直後は元気でも、ごくまれに時間が経ってからおう吐や意識障害などの症状が出る場合もあるので、打撲から半日は子どもの様子に注意してください。コブだけで判断するのではなく、先に述べたような症状が伴うかどうかをチェックすることが大切です。1日経って何も症状がなければ、打撲の影響はないと考えていいでしょう。

安全な環境作りと事故予防が大切

  1歳を過ぎた子どもの一番多い死亡原因は、実は「事故」。家庭内にも階段やベランダなど、命に関わるような頭部打撲に結びつく個所がありますね。特に乳児期は親が子どもから目を離さないことが一番ですが、それにも限度があるでしょう。そこで大切なのは、事故予防と保護対策です。
 たとえば階段に柵を付ける、ベランダに台になるようなものを置かないなど、安心して過ごせる環境を親が作るということが、まず必要だと思います。転んだ後の対応よりも、机の角をガードするなど、転んでも大丈夫な対策を立てましょう。
 

チェック! 〜頭部打撲をした時〜
1 
打撲後も元気に遊び、食欲や機嫌もよければ安心していいでしょう。しかし時間が経ってから症状が出る場合もあるので、念のため半日は様子に注意しましょう。
2 
打撲直後のけいれんや意識が戻らないなどの症状は緊急事態。救急車を呼びましょう。 
 3 
おう吐や顔面蒼白などの症状は一時的なものがほとんどですが、念のため病院を受診しましょう。


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