■2004.9-10月号 vol.14 じんましんについて |
じんましんは、盛り上がったぶつぶつ(膨疹)で痒みを伴い、出たり消えたりすることが特徴です。膨疹の場所や大きさ形には、一定の傾向はみられません。まぶた、唇や耳などが局所的に腫れることもあります。 アレルギーによって血管の炎症が起こり、水分が滲みだすことによって起こる症状です。 大人では、鯖などの魚介類や生もののアレルギーが多いことが良く知られています。乳児期では卵や牛乳、幼児期以降では魚介類の割合が多くなります。初めてのじんましんの場合には原因がわからなくとも、同じ食物摂取で繰り返せば原因を推測することが可能です。しかし、食物以外に、薬剤・動物・植物・物理的刺激 (寒冷・温熱)など様々なものがあり、原因が特定されないことも珍しくありません。カゼや下痢などの時にもみられることがあり、ウイルスや細菌の感染、腸での吸収の問題も関係していると言われています。発熱などに伴うウイルス感染で起こる場合は流行することもあり、じんましんで受診する子どもが続くこともあります。 じんましんというと膨疹と痒みが主な症状で、軽い病気と考えがちです。しかし、希に呼吸困難を起こして重症になる場合もあります。この原因は喉の奥(喉頭)がむくんで空気の通り道が狭くなったり、同時に起こる気管の収縮が関係しています。意識障害や血圧低下などを伴うものをショックと呼び、生命に関わる場合もあることも覚えておいてください。 じんましんが出たら、食べたものや飲んだものをチェックしておきましょう。後で原因を推測することに役立ちます。予防が重要で、除去することが基本です。原因として明らかなものは、親御さんだけでなく本人(わかるようになったら)や周囲(保育園や幼稚園)にも知らせておけば危険を回避することに役立ちます。原因が確定できない場合や長期化する場合には、アレルギー検査を行う方法もありますが、全て確定できるとは限りません。 自然に治ることもありますが、痒みを伴うため通常は治療が必要になります。治療には抗ヒスタミン剤・アレルギー剤が用いられます。重症の場合には、点滴やステロイド剤の投与が必要になります。息が苦しいなどの症状がみられる場合には、速やかに病院を受診して下さい。温まると痒みが増すため、風呂を止めるなどの生活上の配慮も必要となります。 じんましんと軽く考えずに、症状によっては早めに受診することも考えましょう。 |
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