Japan Medicine 2007年8月24日
「母親の不安・心配の解消」が、治療と同程度に重要な役割である−。かわむらこどもクリニックは新生児医療を通じて確信した「母親の不安・心配の解消」を理念に1993年2月に開業した。理念に基づく診療はもちろん、さまざまな子育て支援活動を行なっている。
広報誌「かわむらこどもクリニックNEWS」は、93年6月の創刊。毎月1日に700部を発行し、全患者(家族)に配付している。最新の8月号は169号目に当たるが、これまで「記事を重複しない」「年間予算約5万円(院長の時給は含まず)」という方針を貫いてきた。
A4版2面構成で、1面は医療・医学情報(成人麻しん流行、熱中症の用心など)、子育て情報(いじめ問題を考えるなど)、オピニオン、月刊予定、患者への情報提供を掲載している。
2面には以前、病気の解説や症状への対処法を掲載してきたが、必要な情報は一通り掲載したことから、現在は患者(家族)から寄せられたメールを中心に掲載し、患者とのコミュニケーションに役立てている。前月の感染症情報、予防接種案内も2面の掲載だ。文面による病気の解説が必要な場合は、バックナンバーを活用することもある。
ただし、紙媒体のコミュニケーションツールとしては、限界も感じている。「情報は求める人に提供して初めて情報になる」との考えから、インターネットの普及とともに96年にはホームページを開設。日本有数の小児科老舗サイトで、アクセス数は78万件になっている。広報誌も全号閲覧可能だ。インターネットの双方向性を生かした医療相談も行なっており、相談件数は現在まで5400件を数えた。
医療相談から不安を解消しないで帰宅する患者さんをサポートするため育児サークル「お母さんクラブ」も運営。98年の第1回から現在までに80回開催している。サークルに参加できない患者(家族)のためのかかりつけ患者専用メールアドレスを設け、これまでに1800件のメールを受けている。2004年には日本HIS研究センターの病院広報企画賞も受賞している。
10/23/2007
「Japan Medicine」は株式会社じほう発行の医療機関向けの新聞です