From: 患者 <patient@kodomo-clinic.or.jp>

Date: 2010720 13:54:41:JST

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Subject: かわむらこどもクリニック Mail NEWS-12


かわむらこどもクリニックです。

 猛暑ですが、皆さんいかがお過ごしですか。この暑さ、熱中症には十分な注意が必要です。ママゴン掲載記事です。


「熱中症について」

 毎年暑い季節になると熱中症という言葉を耳にするようになります。熱中症は、熱に中(あ)たるという意味に由来します。。高温の環境下で体温の調節がうまくできなくなった状態が熱中症です。原因としては高温の環境、湿度が高い環境、水分の摂取量、運動や労働などが関係しています。

 熱中症は、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病に分類されています。一般に熱失神とは、高温や直射日光により血管が広がり血圧が下がって、めまいや失神が起きる状態です。熱けいれんは、多量の汗をかくことによって体内の塩分(電解質)が失われ、血液中の電解質が低下することによって腹部や筋肉のけいれん(こむら返り)が起こる状態です。汗をかいた後水分補給をしないだけでなく、塩分を含まない水を補給した時にも起こります。それが進行した状態が熱疲労で、体内の水分と塩分が不足して、めまい・頭痛・吐き気・倦怠感等の症状がでてきます。これ以上症状が進んでしまうと体温の調節機能が障害され、体温は上昇(39度以上)し、意識障害・昏睡・全身けいれんが見られ、低血圧などのショックを呈する状態が熱射病で、多臓器不全(様々な臓器の働きが一度に低下すること)により死亡することもあります。熱中症というのは決して珍しい病気ではなく、毎年50人以上が死亡しているといわれています。特に熱射病の前段階である熱疲労の状態を見極め、早めに対処することが重要です。また直射日光によるものを日射病と呼んでいますが、基本的には熱射病と同じ状態です。

 では、どんな状態が危険なのでしょうか。乳幼児では車内や密閉された室内の高温の環境、学童期以降では高温多湿下での激しい運動が大きな原因です。熱中症を予防することが大切であるということはいうまでもありませんが、まず熱射病は死に至る状態であることを知ることが重要です。予防法としては、大きくわけて二つあります。ひとつは、高温の環境を避けることです。この時期には必ず、親が目を離したために車の中で子どもが亡くなったという悲しい報道があります。これが熱射病の典型なのです。直射日光下の車の中は60度以上にもなるため非常に危険です。短時間であればなどと考えずに、決して車には子どもを放置しないようにして下さい。エンジンをかけてエアコンが作動していればという、安易な考えは捨てなければなりません。何が原因でエアコンが止ってしまうかわからないからです。普通の屋内、つまり室内でも熱中症が起きることがあります。屋内の場合には、室温だけでなく湿度が大きく関係します。高湿度になると汗の蒸発が減り、体温のコントロールが難しくなります。環境に関しては、風通しをよくすることはもちろんですが、扇風機やエアコンなどを上手に使うことも考慮すべきことです。もう一つの予防法は水分の補給です。外来で「のどが渇いて欲しがるときは、好きなだけ与えていいのか」と質問されます。もちろん、わがままで甘い飲み物を欲しがる場合は別ですが、高温の環境下でのどの渇きを訴える時には、好きなだけ与えて構いません。

 また病気で発熱したり、嘔吐や下痢などの症状がみられる時には、より注意が必要です。環境の影響が強く出て、容易に脱水症になることもあります。そのような状況で、元気がない、水分が取れない、ぐったりしている、尿量が少ない等の場合には、早めの小児科の受診を心がけてください。この季節、環境に十分配慮し、水分をこまめに与えるようにしましょう。

今回のような企画はいかがでしょうか。感想をいただければ幸いです。

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