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小児科ミニ知識
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突発性発疹

 今回は、初めての発熱の原因となることが多い“突発性発疹症”について、お話ししましょう。
 原因は、ヒトヘルペスウイルス-6と考えられていますが、他のウイルス感染症のように、潜伏期は確定されていません。罹患する年齢に特徴があり、98%は1歳未満の乳児で、2〜3か月以下は少なく、2歳以上には、ほとんど見られません。
 主な症状は発熱と発疹で、体温は38〜39℃が最も多く、40℃以上になることもあります。典型的な例では、発熱が3〜4日持続し解熱後に発疹(麻疹様、風疹様)が出現し、3日の経過で消失します。その他の症状は乏しく、熱のわりに機嫌や食欲は良好で、下痢が比較的多く見られます。発疹は2〜3日で消失しますが、発疹が出てから、むしろ機嫌が悪いことが多いようです。合併症や後遺症の心配はありませんが、ひきつけの原因となることもあります。
 生まれて始めての発熱であることが多いため、神様がくれた教科書とも言われます。熱の意味を理解し、適切に対応することが大切です。
 “突発性発疹にならなくて”と訴えるお母さんがいますが、不顕性感染も多く、かならず罹る病気ではありません。“突発性発疹を2度した”という話も聞きますが、同じような症状が、他のウイルスで起こるため、2度罹ったように見えることがあります。
 特別な治療法はなく、予防接種もありません。実際には発熱や下痢に対する対症療法に限られてしまいます。
 突発性発疹は、初めての発熱でお母さん達の不安も大きくなりますが、熱だけに注意を向けないで、赤ちゃんの状態に気を配りましょう。熱があっても、機嫌や食欲があれば、重い病気ではないのですから。