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小児科ミニ知識
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スキンケア

 湿疹で悩んでいるお母さん達も多いと思います。今回はスキンケアについて考えてみましょう。
 アトピー性皮膚炎や湿疹の原因には、様々なことが考えられています。最近、その原因の一つに皮膚のバリア機能の障害が重要であることが分かってきました。お母さん達も冬になると他の季節と同じ水仕事しているにもかかわらず、手荒れがひどくなってしまいます。これも同じ皮膚のバリア機能の障害と考えられています。皮膚に潤いを与える皮脂の分泌が少なくなることが原因と考えられています。皮脂の分泌が少なくなると、表面に細かい傷が無数にできてしまいます。そこに外からの様々な刺激が加わり炎症を起こし、赤みや痒みが生じてくるのです。湿疹のひどい赤ちゃんでも、皮脂の分泌が多い鼻の頭やいつも適度な湿り気があるおむつの部分には皮膚のかさかさや湿疹が少ないものです。
 スキンケアという言葉が最近使われるようになってきましたが、実際どんなことをすればいいのでしょうか。先ず第一は清潔にすることです。汚れがついたままでは、その汚れが刺激になって、皮膚に悪影響を与えてしまいます。よく石鹸に負けるからといって使わないお母さん達がいますが、汚れと石鹸のどちらが悪いかは言うまでもありません。ただし石鹸は刺激の少なく香料などの入っていないものを使い、よく泡立てることが大切です。またごしごし力を入れて洗う必要はなく、洗った後は十分すすいであげて下さい。もう一つ大事なことは保湿をしてあげることです。お母さん達が水仕事で手荒れする場合には、終わった後にクリームをつけるだけでなく寝るときに手袋までする事もあります。ところがお子さんの場合には、“最近かさかさしてきました”と、平気で言ったするのです。これも本当は同じように考えなければなりません。皮脂の分泌が少なくなりかさかさしてくると、皮膚の外部からの防御反応が低下し、簡単に刺激により湿疹ができてしまいます。ですからお母さん達の手荒れと同じように、皮膚に潤いを与えることが大切となるのです。この場合は刺激の少ない赤ちゃん用の保湿剤でいいでしょう。1日1回などと決めるものではなく、皮膚の乾燥に応じて適宜塗ってあげて下さい。お母さん達は、1日3回も塗るのですから。
 スキンケアによって、かなりの湿疹やアトピー性皮膚炎が改善するはずです。悪化してから治すということより、他の病気と同じように予防することの大切さも覚えていて下さい。