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小児科ミニ知識
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伝染性紅斑について

 最近時々見られる伝染性紅斑について、お話ししましょう。
 この病気は、頬がりんごのように赤くなるため、俗にりんご(りんごほっぺ)病とも呼ばれています。
 ヒトパルボウイルスが原因で、飛沫によって感染すると考えられています。潜伏期は、17〜25日とされ、感染力は比較的弱く、濃厚な感染で約30%が感染するといわれています。大流行となることはありませんが、特定の集団の中に多発し、小流行の型を取ることがあります。乳児や成人ではほとんど見られず、2〜12才に多く7〜9才がピークになります。冬から夏にかけて多いのですが、はっきりとした流行季節はないようです。
 ほとんど唯一の症状は発疹で、顔に熱感をもった紅斑(赤いぶつぶつ)が、多数両頬に現われます。左右が鼻のところでつながり、蝶が羽を広げた形に見えます。1〜2日遅れて、上肢・下肢にも紅斑が出現しレースや地図状になりますが、体の中心に出ることはほとんどありません。紅斑は大体5日位の経過で消退しますが、日光・寒冷などの刺激で再び出たりすることもあります。少数の子供では、発疹前にせきや鼻汁などのかぜの症状がみられることがあり、稀に関節痛、頭痛なども訴えます。
 かぜと同様、治療は対症療法だけで、もちろん予防接種はありません。幼稚園や小学校の子供に多く見られ、学校の出席が問題になりますが、症状が見られるころには感染の危険がないため登園、登校停止の必要はありません。