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小児科ミニ知識
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マイコプラズマ肺炎

 今回は、流行の兆しがあるマイコプラズマ肺炎について考えてみましょう。
 肺炎マイコプラズマ(ウイルスと細菌の中間の病原体)によって引き起こされ、潜伏期は2〜3週間とされ、飛沫で感染します。従来から4年毎のオリンピックの年に流行すると言われていましたが、必ずしも一定の周期ではないようです。比較的年齢の高い子供が罹患し、5〜10歳がピークとなっています。
 流行の時には肺炎として診断され、せきは100%に見られ、次第にひどくなってきます。発熱もほとんどの例で見られ、高熱が持続することもあります。他の症状としては頭痛、全身倦怠、発疹、中耳炎等様々で、合併症として中枢神経障害(髄膜炎、脳炎等)等も知られています。
 肺炎でも、聴診で肺の雑音がはっきりしないことが多く、症状の推移や治療による反応(普通の抗生物質には反応しない)やレントゲン撮影での肺に陰影を参考に、診断します。確定診断は、血液検査でのマイコプラズマ抗体価の上昇や寒冷凝集反応等で行います。
 普通の抗生物質に反応しないため、エリスロマイシンやミノマイシンでの治療が必要になります。使用する薬剤が適切ならば、多くの場合は比較的早く治る病気です。もちろん予防接種はありません。