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小児科ミニ知識
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川崎病

 今回は、最近増えているといわれている川崎病についてお話しましょう。
川崎病は、公害で起こる川崎の病気ではありません。発熱が続き発疹が出る病気の一つです。男の子にやや多く、大部分は4才以下のこどもに見られます。この病気は日本に多く、昭和40年代前半から見られるようになりました。川崎先生という人が発見したため、この病名になりました。。原因についていろいろ推測されていますが、残念ながら現在のところ不明です。
 診断は症状の組み合わせて行います。見られる症状は、抗生物質に反応しない5日以上続く発熱、四肢末端の変化(急性期:手足の浮腫・紅斑、回復期:指先の皮剥け)、発疹、眼球結膜(白目)の充血、赤い唇・いちご舌、頚部のリンパ腺のはれの6項目です。そのうち5症状を伴う場合に、川崎病と診断しています。発熱の短い例や症状がそろわないような非典型的な川崎病もあるようです。検査で異常を示すことが多いため、診断の参考になります。他にも風邪やお腹の症状等を伴うこともあります。
 この病気の厄介な点は、血管の変化を起こすというところです。心臓の血管に動脈瘤を作ることもわかっています。数は少ないのですが、心筋梗塞を起こしたり死亡することもある病気です。
 原因も不明のため、根本的な治療法はありません。アスピリンが使われていますが、免疫グロブリンの大量療法の効果が期待されます。
 川崎病の大切な点は、早期の診断です。もちろん小児科の先生に見てもらっていれば安心です。確定した場合には、心臓の検査(超音波)も必要となるため、原則として入院となります。
 熱が出て発疹が出る病気は他にもあります。そんな時には病気を区別するために、かかりつけの先生に見てもらいましょう。