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小児科ミニ知識
お薬1
今回から少しお薬について話してみます。
薬のことでは、“もっと長くもらえませんか”と聞かれることが、よくあります。お母さんたちも忙しいし、混んでる場合は、待ち時間のことや他の病気がうつるのが心配なことは、よくわかります。しかし小児科の病気は、ほとんどが急性の病気で、症状の変化が早いのが特長です。また薬はいつでも効果があるとは限らず、薬を服用しても症状が悪化することもあります。子供たちの症状を把握し、変化に対応する薬を処方することが必要なので、多くの先生たちは薬の処方を2〜3日分としています。
お母さんたちは、薬を飲ませていると、つい安心してしまうようで、症状が変わってもそのままの薬で様子を見てしまいます。お母さんに負けて(余りよい表現ではありませんが)4〜5日分の薬を出して、次の来院時に症状が悪化して、薬を長く処方したことを後悔することも時々あります。そんな時、苦しむのは子供です。薬の処方日数を問題にするより、症状の変化に目を向け、適切な処方を受けるよう心掛けましょう。
外来で、“前にもらった薬をのませていたのですが、効果がなくて”というお母さんがいます。前っていつかと尋ねると、時には1ケ月前と答えが帰ってきます。薬は、同じように見えても症状や状態によって、内容が変わります。また薬によっては、長期の保存によって効果が落ちる場合もあります。解熱剤などの常備薬以外では、以前に処方された薬は、使わないようにしたいものです。
薬は、症状に合わせて、用法や容量を守って服用することが大切です。次回もお薬のことを考えてみましょう。