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小児科ミニ知識
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下痢1

 今回は、発熱や咳に次いで小児かでよく見られる下痢について、考えてみましょう。
便の柔らかさと下痢という病気は、簡単に区別することは出来ません。母乳で育っている赤ちゃんの便は、往々にして柔らかいものです。しかし便がが柔らかくても、元気があり哺乳も良好で体重もよく増えていれば、誰も下痢だとは考えません。
 下痢が、病気として問題になるのは、元気がない、食べない、飲めないなどの症状を伴うからです。そういう状態を、下痢症と呼ぶのが適切でしょう。他の症状としては、発熱、嘔吐、腹痛があったり、便の性状としては水様便(水みたいな下痢)、粘血便(ネバネバした下痢に血液が混じったもの)、悪臭がある等々が問題となります。
 下痢の原因で最も多いのが、ウイルスによる腸炎ですが、特に便が白色となるロタウイルスの冬季乳児下痢症は、嘔吐も伴い脱水症になりやすいため注意が必要です。他には主に汚染された食品からのカンピロバクターやサルモネラ等の細菌による腸炎があります
。  下痢をすると栄養を心配するお母さんが多いのですが、現在はこどもの栄養状態がよいため、難治性下痢症といわれた栄養状態が冒される下痢は、ほとんど見られなくなりました。しかし下痢に持続と摂取する水分の不足から起こる脱水症は時々見られ、注意が必要です。
 下痢の治療の中心となるのは食事療法で、お薬は補助的要素が強くなります。