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小児科ミニ知識
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アトピー性皮膚炎5

 今回もアトピー性皮膚炎の治療の続きです。
 軟膏療法でコントロール出来ない場合には、内服薬が必要になります。内服薬として用いられるものには、痒み止めと抗アレルギー剤があります。特に抗アレルギー剤の場合は一時的に使うことより、長期に渡って使われます。使い始めは簡単ですが、止めることが難しいのが薬です。また体質改善の薬と言われることがありますが、アレルギーの反応を押さえる薬であって体質を変えるものではないことを、知っておく必要があります。
 それでもコントロールできな場合には、食事療法が必要です。先生方によって考え方は多少異なりますが、多くはこの順番と考えて下さい。単独なもののアレルギーの場合には、除去することはあまり問題ありません。かわりに別 なもので、栄養を補えるからです。しかし多岐にわたってアレルギーが見られる場合には、簡単にはいきません。多くは乳幼児期なので、発育や発達も同時に考えがなければなりません。皮膚がきれいになることと栄養はどちらが大切か言うまでもありません。しかし目の前しか見えない親御さん達には、皮膚の赤さや痒さが大きく見えてしまうのです。外来でお母さん達に「お母さん皮膚と脳がどちらが大切か」と聞くと、迷わず「脳」と答えるのです。子どもの今が大切なことはよくわかりますが、将来を見据えた治療はもっと大切なことかもしれません。悲しいことですが極端な除去食のため、栄養失調や脚気で入院したという話も伝わってきます。食事療法はしっかりした指導の元で行い、客観的な立場で必要性を判断することが大切です。