小児科ミニ知識


夜泣きについて


 夜泣きはぐっすり眠っていた赤ちゃんが、夜中に理由も無く突然泣き出すものです。しかし個人差があって、火がついたように泣く場合からぐずぐずする程度まで、1時間も泣きやまないものから乳首を加えたくわえただけで落ち着くものまで、さまざまです。一般的には早くて4〜5か月頃から始まります。
 夜泣きの原因は明らかになっていませんが、細切れに眠る赤ちゃんの時期から大人に近い睡眠になる頃に始まります。ちょうどこの時期には大人で夢を見ているとされる、REM睡眠も現れてきます。またお母さんを区別したり人見知りの時期にも一致し、睡眠の成熟だけでなく脳の発達とも関係しているのです。
 夜泣きの場合どう対応したらいいのでしょうか。夜泣を止める方法には抱っこするとか哺乳するとドライブするか、様々な方法がとられています。しかしもうろうとしている状態なので、根本的な解決法はありません。むしろ刺激して起こして、お母さんがいることをわからせて安心させた方がいいこともあります。
 夜中の哺乳について質問されることがあります。赤ちゃんは夜泣きをしても、次の日は平気で大人とは違います。連日の夜泣きで睡眠不足になれば、お母さんのストレスも溜まってしまいます。お母さんが不安定になれば、それを感じて赤ちゃんの夜泣きもひどくなるかもしれません。お母さんのためにも赤ちゃんのためにも、夜泣きが改善するのであれば夜間の授乳を制限する必要は無いでしょう。
 夜泣きは発達の段階の一つの過程で、1歳前後になると少なくなってきます。それまでは仕方がないと考えて、自分なりの方法を見つけて、お母さん方も楽になれるよう対処したいものです。
 夜泣きについては、『ひよこクラブ』2000年1月号(院長監修)やCLINIC NEWSも参考に。
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