朝日ウイル 小児科ミニ知識


予防接種ができない時


 風邪をひいていると予防接種が受けられないということを耳にします。本当なのでしょうか。
 予防接種が受けられない人(接種不適当者)については、予防接種実施規則で決められています。参考までに、受けられない人についての記載を挙げておきます。

 1.明らかな発熱を呈している者。
 2.重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
 3.当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によって、アナフィラキシーを呈したことが明らかな者。
 4.ポリオ、麻疹、風疹に係る対象者にあっては、妊娠していることが明らかな者。
 5.その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。

 明らかな発熱というのは37.5℃以上を指します。となれば、熱がなくて症状が軽ければ、かぜでも予防接種は可能ということになります。実際には症状が悪化傾向の場合には見合わせますが、改善傾向のときは接種を考慮しています。薬を飲んでいると接種できないということもいわれますが、必ずしもそうではありません。その証拠に喘息で通 年にわたって服薬していても、その理由だけで接種できないということはありません。けいれんの場合はどうでしょう。未だに、けいれんがあった場合には1年間接種しないということも耳にします。しかし予防接種法の改正からこの1年間という縛りはなくなりました。熱性けいれんの場合は2〜3ヶ月程度あいていれば接種することがほとんどです。
 ただし予防接種の適応はすべて、接種医の判断に任されています。最後の項目は、まさにその典型です。接種医によって微妙に判断が異なることがあることを覚えておいて下さい。

第1版2002.11.23
改訂2004.10.05


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