小児科ミニ知識
解熱剤の使い方
前回は、発熱が生体の防御反応であることをお話ししました。
しかし防御反応とわかっていても、熱で苦しんでいる子どもを前にして、我慢させるお母さんたちは、少ないはずです。今日は、その時役に立つてくれる解熱剤の使い方についてお話ししましょう。
まず、お母さんたちに理解してもらいたいことは、解熱剤は熱を下げるだけで、病気を治す薬ではないということです。子どもの場合、歴史的に見ても副作用が問題となり、使える薬が限られています。
こどもは、おとなと違って熱には強く、38℃以上でもケロッとしていることがあるのも事実です。お母さんたちも、熱があっても家事や育児が普段どうりに出来れば、解熱剤は使わないはずです。こどもが、ある程度元気なら、熱の高さ(体温計の数字)だけでは、解熱剤を、使わないようにしたいものです。熱が、こどもに悪影響を与えている場合(元気がない、グズッて寝つけないなど)に、発熱による悪影響をとることを目的として使いましょう。それでも熱が心配というお母さんは、38.5℃以上を目安として使うとよいでしょう。日中、手をかけられ充分な観察ができれば、解熱剤の必要はあまりなく、むしろ夜は子どもを安眠させるため(充分な睡眠は病気の改善に役立ちます)、疲れているお母さんが休めるため(お母さんが波れて倒れると、こどもにとってこれ以上大変なことはありません)、という使い方があることも覚えておきましょう。
次回は、薬としての解熱剤を考えてみます。
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