小児科ミニ知識


水痘について


 今回は、伝染性の病気の中では比較的多く見られる水痘(みずぼうそう)について、お話ししてみましょう。
 原因は水痘帯状疱疹ウイルスで、年齢的には2〜8歳の間に最も多く見られます。飛沫及び接触感染で広がり、感染力が強いため兄弟では、ほぼ100%感染することになります。成人で見られる帯状疱疹も、このウイルスによって起こります。
 症状は、大きく分けて発熱と発疹です。発熱は37〜38℃台で、発疹の出始めに見られることが多いのですが、約25%では発熱はありません。発疹は、紅斑〜丘疹〜水疱〜痂皮(赤いぶつぶつが盛り上がって、みずぶくれからかさぶたになる)の進行が極めて早いのが特徴で、普通 の経過は約1週間程度です。発疹出現前日頃から全ての水疱が痂皮(かさぶた)になるまでは、感染の可能性があります。
 合併症としては、細菌による二次感染があり、少ないですが肺炎や脳炎なども見られることがあります。
 治療は、従来麻疹と同じように対症療法だけでしたが、現在はウイルスの増殖を押さえる薬剤があり、効果 が見られています。予防法は、水痘ワクチンの接種で、その効果は80〜90%程度と考えられています。感染しても、軽症ですむことが多いため、早目に接種を済ませたいものです。
 他人への感染を防ぐために、完全にかさぶたになるまでは、接触させないようにしましょう。ちなみに、学校の場合には、出席停止となります。
 水痘も、予防可能な病気のひとつです。かかりつけの先生に、よく相談して、できるだけ受けるように心掛けてください。

解説:ウイルの増殖を抑えるのは(ゾビラックス)という薬です。経過を短縮するので、保育園や幼稚園、学校の欠席期間が短くなります。薬価は少し高いのですが、効果 は十分確立されています。また水痘感染者との接触に対する発症予防としても、水痘ワクチンが利用されます。接触後24時間以内であれば、効果 が期待できます。(06/16/2001)


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