小児科ミニ知識
かんの虫について
よく哺乳の時いきんだり、突然大きな声で泣いたり、奇声を上げたり、人見知りが強いことや思い通りにならないと暴れることなどを、かんが強い(かんの虫)と言うことがあります。虫封じという言葉がありますが、本当に虫がいるのでしょうか。
いきみには、哺乳とともに空気を飲み込むことや腸の動きも関係しています。突然の大声や奇声については、残念ながら原因はわかっていません。小児科医でも、聞かれると困ることのひとつです。しかし人見知りや暴れることを含め、性格や個性と考えられています。表現の仕方は人それぞれで、大きい声の子もいれば、おとなしい子もいます。だれにでも愛想のよい子もいれば、人見知りの強い子もいます。思い通りにならないと暴れたり、ものを投げたりと様々です。子どもの気持ちが不安定であれば、余計に強く出る可能性もあります。でもこれだけを取り上げて異常、正常の区別はできません。他に問題が無ければ、ひとつの性格と考えて心配する必要はありません。
困っている親御さんも多い様ですが、治療法はあるのでしょうか。性格を直す薬や方法は、残念ながらありません。理性のある大人でさえ、性格を変えることはなかなか困難なことです。この問題は時間が解決してくれるものと考え、待つしかないと理解して下さい。周囲から虫封じや市販薬を勧められるかもしれません。治る訳ではありませんが、親御さんたちが安心できるのであれば考えてもいいでしょう。親御さんが安心すれば、お子さんの心も安定するものです。そして大事なことは、性格というのは親に似ているのだと思いながら、見守ってあげることでしょう。
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