小児科ミニ知識
咳について2
咳が続くと、お母さん方の心配として「喘息」という言葉が浮かんできます。外来でも、咳が続くと「喘息でしょうか」と聞かれます。
それでは喘息というのは、どういう病気なのでしょうか。簡単に言えは、気管支の先端の部分が、炎症を伴つて狭くなる病気です。咳や痰も出ますが、主な症状は、ゼーゼーするとか息が苦しくなることです。咳が続いても、息が苦しくなることがなけれは、喘息の可能性はあまりありません。
次に、咳止めについて話しましょう。咳止めは大きくふたつに分けられ、ひとつは脳に働いて咳を止め(中枢性鎮咳剤)、もうひとつは気管支に働いて咳を止め(末梢性鎮咳剤)ます。前者は、普通の咳止めとして処方され、市販の風邪薬にも含まれています。しかし喘息の発作に、中枢性鎮咳剤を使わないことは、案外知られていません。喘息で咳が出るのに、とうして使わないのでしょう。喘息発作の時に使うと、咳が止まって痰が排泄しにくくなり、気管支の内腔が狭くなり余計苦しくなってしまうからです。
もうひとつ、咳がひとい時には充分な水分を補給するように言われます。咳がひどくなると飲めなくなったり、咳で吐いたりするため、体の水分が不足しがちです。そうなると、痰の水分も減って固くなり排泄しにくくなります。痰を柔らかくして排泄しやすくするためには、充分な水分を与えることが大切です。
咳を上手にコントロールするには、症状にあった薬を服用するだけでなく、環境や水分にも充分気を配りましょう。
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