小児科ミニ知識


アトピー性皮膚炎について−4


 今回は治療法について考えてみましょう。
 アトピー性皮膚炎は皮膚の病気ですから、基本的には軟膏療法が中心となります。しかしスキンケアが大切であることは、前に説明しました。保湿剤で皮膚のバリアを整えてあげれば、症状が改善するものです。
 軟膏の種類には保湿剤、非ステロイド系消炎剤、ステロイド剤など様々です。配合剤もあり、目的や強さなど種類も多様です。生活に悪影響が出る痒みやじくじくする場合には、治療が必要になります。治療の目的は治すということよりも、第一に子どもの苦痛を取ってあげることと考えて下さい。
 ステロイド軟膏が問題になることもありますが、苦痛を考えれば使わざるを得ないこともあります。こどもの体が掻き傷だらけでも、ステロイド剤が怖いと拒否する方もいます。果たして正しいのでしょうか。大人でも眠れないほど痒ければ、翌日は大変です。そんな毎日の繰り返しでは、子どもの発達や発育に影響を及ぼすかもしれません。自分がアトピーの苦痛を知っていれば子どもの辛さもわかりますが、他人(自分以外)の辛さはわからないものです。子どものつらさを思いやってあげることが大切です。ステロイド剤は強さ、範囲、使い方さえ守れば、十分な効果もあり怖いものではありません。 不安をなくすためにもかかりつけの先生の考え方や説明をよく理解して、軟膏は種類や塗る場所・回数など、指示を守って使いましょう。「お母さんのお化粧と同じように念入りに」と説明される皮膚科の先生もいるぐらいです。
 次は薬剤や食事療法につて考えてみましょう。