小児科ミニ知識


喘息について2


 間に予防接種の話が入りましたが、今回は喘息の続きを話しましょう。
喘息の話の中で、アレルギーについて話さないわけにはいきません。「喘息の診断のためにアレルギー検査をした」「咳が続いて、検査をしたら喘息と言われた」「反応が強いから、重症の喘息と言われた」というのを耳にします。アレルギーの検査は大きく分けて、アレルゲン(アレルギーの原因)を皮下に注射し反応をみたり、血液で個別のアレルゲンに対する反応の強さをみる方法があります。喘息の診断は、症状、所見、家族歴等を総合して行うもので、アレルギー検査は補助的と考え、これだけで喘息を診断するのには無理があります。検査はアレルゲンに対する反応をみるためであって、喘息でなくても陽性にでることがあります。検査の反応の強さも、決して喘息の重症度とかならず相関するものでもありません。検査は費用がかかるものです、検査の必要性についてよく相談し結果がでたら、費用の分よく説明、指導を受けるべきでしょう。検査結果が問題なのではなく、結果に対する対応の仕方が重要なのです。
 もう一つアレルギーの問題について、体質改善のことを考えてみましょう。なんらかの方法で、アレルギーを起こさない体質に変えることができれば、喘息は治ってしまいます。昔からさまざまな方法が試みられましたが、どうも体質改善は困難のようです。時々体質改善の薬をのんでいるという話が聞かれますが、多くの場合は、抗アレルギー剤のようです。抗アレルギー剤は、体質を変える薬ではなく、アレルギーの反応を押さえる薬です。お薬の効果か自然の経過かの判断が難しいばかりでなく、効果も全員に100%という訳にもいかず、効果の判定が難しいお薬の一つです。長期にわたって服用するお薬なので、その内容を知って飲むようにしましょう。
小児科ミニ知識コーナーに戻る