小児科ミニ知識


喘息について1


 咳が長く続いて、喘息かもしれないと思ったことはありませんか。今回は喘息について、考えてみましょう。
 いったい喘息とはどんな病気なのでしょうか。簡単に言ってしまえば、アレルギーによって気管支の先端が、細くなり、炎症を起している状態です。ですから、喘息のときには、咳や痰だけでなく、気管支が細くなるための症状が起ってきます。例えばヒューヒューとかゼーゼーするといった具合で、ひどくなれば、息が苦しくなって、呼吸困難を引き起こすこともあります。
 咳は、もちろん風邪や気管支炎や肺炎でも起りますが、咳が長く続くだけでは、喘息の診断は困難です。診断は、咳、痰や気管が細くなるための症状だけでなく、家系のなかのアレルギーの存在や繰り返し起すことを参考にして行います。
 喘息は、アレルギーによって起る病気ですが、多くの場合は、風邪などの感染症や気象状況、精神的要素に関係して起ります。つまりアレルゲン(アレルギーを起す物質、例えばハウスダスト)があれば、毎日起るという訳ではありません。
 喘息様(性)気管支炎という病気を聞いたことがありますか。文字どうり、喘息みたいな気管支炎で、比較的小さい子にみられ、ヒューヒューやゼーゼーの原因となります。喘息と同じという考えもあり、区別はできないこともありますが、年齢とともに減少していくようです。
 咳が続いたり乳児期からヒューヒューしても、必ずしも喘息ではありません。余計な心配をせずに、かかりつけの先生に、ちゃんと聴診器で聞いてもらって、経過をみてもらいましょう。
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