小児科ミニ知識
こどもの事故3
-交通事故について-
今回は交通事故について考えてみましょう。年齢が小さければ車の中、大きくなれば外での事故の割合が多くなります。
子供を抱っこして乗っているお母さんを見ますが、衝突の際にはどのくらいの力がかかるのか御存知ですか。10Kgの子供を抱っこして50Kmの速度で衝突するとその腕には300Kgの力がかかります。それを支えることは、不可能です。衝突によって投げ出され、フロントガラスにぶつかってしまいます。小さい子供には、シートベルトは役に立ちません。最も安全なのが、チャイルドシートとなのです。しかし日本ででのチャイルドシートの装着率は全年齢でわずかに7%程度(JAF調べ)で、先進国では最も低い装着率になっています。事故は起こして初めて、その恐さが分るのです。私に限っては通用しません。少子化で子供が大切な時代です。子供を守るためにも、チャイルドシートは是非装着したいものです。年齢に合う大きさのものを用い、後席に装着するようにしましょう。
少し大きくなると車の回りでの事故の割合が増えてきます。いるのを知らないでバックしたとか、そんな事故の報道も目に入ります。子供を車の回りで遊ばせないことはもちろん、発進の前には車の前後をよく確認する習慣を付けましょう。
飛び出しも事故の大きな原因の一つです。これには子供の特性が関係しているると考えられています。予測できない行動や一つのことに集中するあまり物の後を追って飛び出すことも事故の原因となります。ボールが出てきたら子供が出てくると思えというのもそんなことをあらわしています。また子供は目の位置が低く視野が狭く、速度感や距離感が劣っているための事故が多いとされ、完成するのは10歳以上と考えられています。防止のためには目を離さないとは当然ですが、しっかり手をつなぐことや躾けも大切になります。これとは逆に、運転者も子供の特性を理解し注意を向けることが必要です。
交通事故の予防可能なものです。子供の立場に立った、安全対策を考えてあげましょう。