小児科ミニ知識


こどもの事故2

-窒息について-


 今回も引き続き、不慮の事故についてお話しします。乳児期では窒息による事故が多いのは、前回お話ししたとおりです。
 窒息の原因には、鼻口部の圧迫・気道異物・酸素欠乏などがあります。鼻口部の圧迫は乳児期の原因中で最も多いもので、柔らかな布団にうつぶせで寝ることが問題となります。またうつぶせ寝は、乳児突然死症候群との関係も指摘されているため、原則として避けるほうが懸命でしょう。他にも添い寝による事故もあり、赤ちゃんが小さいうちは同じ布団で寝ることは避け、あくまでも眠るまでの手段として考えたてあげて下さい。
 次に多いのが気道異物です。乳児期前半では哺乳と共に空気を飲み込むことと食道と胃のつながりが緩いために、嘔吐しやすくなります。吐物を吸引することを防ぐためには、哺乳後に十分ゲップを出させ哺乳後しばらくは目を離さないことが必要です。止むを得ず目を離す場合には、タオルなどで上体を起こして短時間にするように心掛けましょう。
 幼児期になるとビー玉やお金などの異物よる窒息の割合が高くなります。大きさ(直径)が問題となり3cm以下のものが危険とされ、防止のためには身の回りや手の届く所に危険な物を置かないことが大切です。窒息とは直接関係はありませんがピーナッツなどの誤嚥による肺炎が問題となるため、3才以下の児には与えないようにしたいものです。
 幼児期中期以後になると食事中の誤嚥の割合が多くなってきます。コンニャクゼリーで窒息したことも、耳に新しい出来事です。こうしたことを防ぐためには躾けが大切になってきます。歩きながらの食事や食べ物を口に入れたままの会話を止めさせ、良く噛む習慣などをつけることも必要です。
 それ以外にも窒息の原因は身の回りにはたくさんあります。ビニール袋をかぶったり、ひもで遊ぶことも危険の一つです。そんなことにも気を配りたいものです。
 大人たちが十分目を光らせていれば、事故はどれも予防できるものです。見逃しがちですが、躾けも大切な予防法の一つです。子どもの危険に対する判断は不十分です。状況に応じては、危険を覚えさせるためしっかり叱ることも大切です。親の責任と義務を考え予防することを心掛けましょう。
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