かわむら こども クリニック NEWS  平成13年6月号


小児科学会パネリスト

 5月18日〜20日の小児科学会の休診に際しては、御理解と御協力をいただき、ありがとうございました。お陰様で、無事パネリスト(シンポジスト)の責務を全うすることが出来ました。今回は小児科学会について、報告したいと思います。
 日本小児科学会は、我々小児科医が属するもとっも大きい学会です。毎年各地で小児科学会が開かれて、今回で104回を数える歴史のある学会なのです。日田は北海道から南は沖縄まで全国各地から、小児科医が今年は3000人ほどの先生方が集まりました。今回は東北大小児科学教室が担当し、飯沼教授が会頭をつとめられました。小生は「21世紀の情報化と小児科医」というシンポジウムで、「外来小児科におけるインターネットの活用」を発表しました。パネリストは5人の先生方で、大阪大学、東大等のそうそうたるメンバーでした。シンポジウムは5つありましたが、もちろん開業医は小生一人だけでした。このパネリストに選ばれるということは、小児科医にとって大変名誉なことなのです。大学や総合病院には施設や診療内容ではかなわないものの、一小児科開業医が実際に行っていることを堂々と胸を張って発表しました。小生もずいぶん(?)、有名になったものだと、終了後余韻に浸っていたことは言うまでもありません。
 発表の1週間も前から、何となく落ち着かずプレッシャーを感じながら準備をしていました。深夜までの準備と緊張による不眠のため、診療も上の空(そんなことはなかったと思いますが)で、真っ赤な目に気付かれた人もいるかもしれません。
 発表の内容は、当院で実際に行っているインターネットの利用法についてが中心で、ホームページや医療相談をはじめた経緯について紹介しました。皆さんも御承知のように、当院の開業理念は「母親の不安・心配の解消」です。その理念から診療に当たるとともに、院内報の発行等によって実践してきました。しかし書き手の思いとは裏腹に、院内報はあまり読まれていない印象を持ちました。テレビなどのメディアも同じで、ただ情報を垂れ流しているのでは情報として活きてきません。ちょうどインターネットの普及が始まり、求める人に提供して初めて情報となりうると考え、1996年1月ホームページを開設しました。その後様々なメディアの評価と利用する保護者の方に支えられ、現在はアクセス数は20万件を超え日本でも有数な小児科サイトとして評価されています。医療相談もトップクラスで2001年3月末現在、相談数は3000件を越えました。今年2月の182件が最高で、6ヶ月の平均は100件を超えています。また医療相談者に対するアンケート行い、90%近い相談者では回答に満足し、今後のインターネットによる医療相談の必要性については95%が必要と回答していました。アンケートの結果を見ると、小児科医と患者との間には、まだまだ大きなギャップがあることを感じました。患者さんのとのコミュニケーションの大切を強調し、当院で実行しているお母さんクラブや患者さん専用のメールアドレスも紹介しました。会場には大勢の小児科医が集まり、患者さんとのギャップを埋めるような努力の必要性とコミュニケーションについて訴えました。
 医療は医師一人で出来るものではなく、多くの人たちに支えているのです。今回の発表を通 して、改めて多くの人たちに支えられていることを強く感じました。たかだか弱小の一開業医が日本小児科学会のシンポジストになれたことは、推薦してくれた先生方だけでなく、ホームページを支えてくれている悩める保護者の方々、雑誌や新聞に取り上げていただくマスコミの方々のおかげだと思っています。そして何より小生の理念を理解し混雑にもかかわらず通 院してくれる患者さん、そしてスタッフ達(学会でも写真入りで感謝を示しました)の支えのおかげだと思っています。シンポジストの名誉も小生一人のものだけではなく、同時に支えてくれるみんなのものなのです。本当に、ありがとう!!。

シンポジウム発表要旨


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