かわむら こども クリニック NEWS 平成24年 1月号
新しい年に向けて-2012-
毎年恒例ですが、新しい年に向けてと題して昨年を振り返ってみます。
昨年は東日本大震災という、想像だにしなかった大きな災害が3月11日に発生しました。未だに記憶に鮮明に残っています。14:45頃、突然の大きな揺れが襲いクリニックはパニックに包まれました。幸い患者さんは少なく、わずか4組のみでした。クリニックは耐震基準もクリアし、平屋みたいなものでしたから、ある程度安全は確保されているとの思いはありました。しかし長い時間の揺れが収まる気配が無く、心の片隅では“つぶれる”との思いも起きてきたことは事実です。地震とともに停電が起き、外界の情報からはいっさい遮断されてしまいました。周囲の状況を知らないスタッフと患者さんたちは、地震が落ち着きはじめた頃から笑顔もみられるようになりました。その後状況が明らかになるにつれ、安堵の気持ちはいつしか暗い気持ちに変わっていたことを今もはっきりと覚えています。状況を伝えるラジオを聴くたびに、現実が明らかになり、更なる不安が高まってきました。結局、被害は想像を超えるほどはるかに大きく、被災による犠牲者は、死者15844人、行方不明者3450人(警視庁:1月5日)となりました。クリニックからは、地震直後からTwitter、続いてBlog、メールニュースで情報発信を行ないました。また小児科医会会長として、小児科診療情報、避難所巡回や医療物資搬送などに取り組み、情報発信や医会の活動に対して、様々なところから高い評価をいただきました。
大きな暗い暗い出来事で本当に落ち込んだ一年でしたが、クリニックと自分にとっては、例年になく明るい話題が盛りだくさんでした。それぞれの内容については、この一年CLINIC NEWSで紹介してきたので参考にしてください。主だった明るい話題を列挙してみます。1月仙台市医師会学術奨励賞受賞。2月日本医師会医療情報システム協議会シンポジウム「ITからICTへ-より暖かいコミュニケーションを目指して-」。6月日医生涯教育協力講座セミナー(山形)「ワクチン普及に向けて-クリニック・仙台小児科医会の取組み-」、さらに宮町〜幸町メディカルロード研究会「開業理念に基づく子育て支援活動―様々試みを通して-」。7月大崎市民病院小児医療に関する講演会「開業理念からうまれた子育て支援-ITとコミュニケーション-」。8月日本外来小児科学会には震災関連のパネル「東北地方太平洋沖地震を経験して-震災レポート-」、院内報「かわむらこどもクリニックNEWS」の展示と一般演題2題「髄膜炎関連ワクチン並びに同時接種見合わせ後の保護者の意識調査」、「東日本大震災における小児科医の役割と情報発信の重要性」。「髄膜炎関連ワクチンの意識調査」で優秀演題賞受賞。10月無事還暦を迎え、多くの御祝いに囲まれ、スタッフからの紅い薔薇を頂き幸せを感じることができました。そしてオープン病院秋季勉強会では森永卓郎氏の座長を務め、「森永氏と対等に渡り合っていた」との評価も頂き満足でした。更には宮城母性衛生学会の教育講演「新生児医療から生まれた子育て支援」。小児科医として半生の生き様を夢にまで見た“赤ん坊時代の写真”を使用しての講演。11月東北・北海道小児科医会連合会では3年連続のパネリストで「子育て支援から生まれた震災への対応-情報発信の重要性-」、更には去年最大のイベント「子ども若者育成・子育て支援功労者内閣府特命大臣表彰」。総理大臣官邸に招かれ野田総理隣席のもと、蓮舫大臣から直接表彰状を手渡され感慨ひとしおでした。蓮舫大臣とのツーショットも素晴らしい思い出のひとつになりました。1月6日の仙台市医師会新年会では、子育て支援功労者のお披露目があり、昨年の医師会学術奨励賞と2年連続でひな壇に上がりました。
昨年は震災で暗い一年でしたが、還暦を迎えた年に多くの講演を依頼され、一生で一度(?)の素晴らしい表彰を頂けたことは嬉しい限りです。これもひとえに、多くの方々のお力添えのお陰です。ご支援に応えるためにも、ますます精進を続けていく覚悟です。これからも、よろしくご支援お願いいたします。
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