かわむら こども クリニック NEWS  平成8年9月号


学会に参加して

 先日は、学会の出張のためご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
  おわびのしるしに、学会の話をしてみましょう。参加した学会は、日本小児科外来研究会という全国学会の一つで、今年は兵庫県の姫路市で開催されました。この学会は小児科の開業医の先生が中心で、北は北海道から南は沖縄まで、全国から参加者が集まってきます。
   医師の学会というのは、どんなものなのでしょう。研究や症例(珍しい病気)や新しいことを、医師を相手に発表するのです。発表時間は7〜10分ぐらいで、その後に質問に答えるのです。たった10分ぐらいですが医師が相手なので、いい加減なことはできず準備もかなり周到に行います。原稿を書いたり、スライドを作ったりいろいろと大変で、おかげで夏休みの2日間がつぶれ、夜は出発の前日まで準備に追われていました。そこまでして発表するのは、何なのでしょう。きっと目立ちたがりやの性格かもしれません。開業医が学会で発表することは余りありませんが、新しいことを追及する心をいつまでも持っていたいものです。
 今回は、小児科開業医のパソコンの活用という題で、INTERNETとMULTIMEDIAについて発表してきました。当院の『かわむらこどもクリニック NEWS』で、パソコンを使って作成していることやINTERNETのホームページと待合室のパソコン掲示システムについても発表しました。ホームページでは、その内容や4ヶ月で3000人もアクセスしていることをスライドを使って説明し、掲示システム(実際に動かした人もいると思いますが?)は、液晶プロジェクター(借用して仙台からわざわざ送りました)で、実際にコンピュータの画面を動かしてみせました。もちろんプロジェクターを使って発表したのは、小生一人でした。(これも学会の会長に直接頼んで実現したのです)発表が終わったとき会場から拍手がわきました。こんなことは珍しいので、苦労も一瞬で吹っ飛んでしまいました。
 学会というと、観光や遊びがつきものと思う方もいるのでしょう。金曜日の午後2時に仙台出発して、新幹線を乗り継ぎ姫路に着いたのは、もう8時30分を回っていました。やっと夕食にありつき、一人だけ別の器械での発表のための夜の打ち合わせ、発表の準備で眠りについたのは深夜の1時を回っていました。翌日は慣れない枕のおかげで、6時には目が覚めてしまい午前中一杯準備、そして3時からの発表で落ち着かず、結局は昼食抜きになってしまいました。発表が終わっても、ほかの発表を聞いて全く一日があっという間に過ぎてしまいました。夜は懇親会があって、各地から来た先生とおしゃべりし、やっと2回目の食事にありついたのは言うまでもありません。懇親会終了後、無料のツアーがあって、ライトアップした姫路城を見てきました。白鷺城と言われる城の美しさには、本当にほれぼれしました。はるばる姫路まで来たのですから学会をちょっとばかりさぼって、翌日はNHKの『秀吉』で話題の姫路城の内部も見ることにしました。青葉城址しかない仙台と比べて、天守閣まである城というのはいいもんだなあと感激してきました。姫路は暑く6階建ての城の中を昇るのは、苦痛以外の何物でもありませんでした。6時間かけて目的地まで行って、食事を抜いて暑い思いをして観光し、疲れただけの学会でした。
 面白くもないことを書いてしまいました。小生もこんな生活をしているのです。そんな生活の一面を覗いてもらえたでしょうか。最後に、学会に参加できるのも皆さんのご理解のおかげです。
 ありがとうございました。

クリニック NEWS コーナーに戻る