かわむら こども クリニック NEWS 平成9年12月号
個性とは?しつけとは?
東北放送の『すこやかさん こんにちわ』で、「個性とは? しつけとは?」(11月29日)をご覧になった方もいるかと思います。この番組は、県教育委員会の家庭教育子育て推進事業のひとつです。
どうして、医師の小生が「個性とは? しつけとは?」を話すことになったのでしょう。テレビ部会には、小児科医、幼稚園園長、保健婦、大学助教授の計6人で構成されています。まずその年1年のテーマ及び番組に内容の検討から始まります。小生はテレビ部会の部長をしているのですが、診療でもわかるようによくしゃべります。たまたまその番組を検討していたところ、“それなら川村先生に話してもらったら”の一言で決まってしまったのです。従来は小児科医は病気の話、教育や心理の先生が他を担当ということになっていたのですが、今回はどういうわけかそうなってしまったのです。
東北放送のディレクターも小生も、とんと困ってしまいました。いろいろ番組を検討していくうちに、視聴者から質問という形で、問題点をあげてもらうということになりました。小生も外来の中で、しつけについての相談を受けることがありますが、専門家ではありません。しかし医療を通しての、お母さんやこどもの姿はたくさん見ています。そこで実際の問題に答える時間を長くしたのです。
医学の話をするときは、原稿も軽く作ってほとんどアドリブのような形でしゃべるわけです。しかし今回はそうはいきません。結局原稿までしっかり作って、読む方法をとることにしました。前に話しましたが、この番組は編集をしないのが原則です。カメリハ(カメラリハーサル)を行って、その後すぐ本番で、やり直しができないのです。今回はカメリハでも時間の調節がうまくいかず、もう一度内容を検討して本番という形になりました。アナウンサーの郡さんの腕で何とかうまく行った次第です。下ばっかり向いていたようで、今回はいつもの2倍も疲れてしまいました。
内容は、しつけとはこどもの持っている個性を上手に伸ばすための手助けであること。“よい子”を作るのが、目的ではないこと。意識的しつけと無意識のしつけがあり、しつけは言葉で行うものとは限らないこと。意識的しつけには、時期があること。痛みが必要なこともあるが、愛が基本にあれば許されること。親の個性を受け継いでいるのが基本なので、どこかには“私に似て…”、という妥協点を持つことも必要。と言うことと、保護者の具体的な質問に、答えました。
今回のことでありがたく思ったのは、当院の患者さん達の協力でした。この番組のために、東北放送からの依頼が届きました。当院の割当の20通以外に、他の施設を含め全部で100通のお願いをしたようです。ところが戻ってきたのがわずか20通でした。他の施設からは80通中10通、当院では20通中10通で、全体の半分を占めていました。この番組の内容では、相談が集まらなければなにもできません。ディレクターも安心し、小生は東北放送でも鼻高々でした。こんなふうに診療以外でも、お母さんたちに支えられていることを、またしても痛感してしまいました。
青葉区の小山さん・武田さん、泉区の成田さん・藤田さん、宮城野区の稲荷田さん・加藤さん・草刈さん・今野さん・佐々木さん・羽田さん(区別の五十音順)、ご協力ありがとうございました。
先日ディレクターの原田さんから連絡を頂き、視聴率4.7%と今期の中で最高というお褒めを頂きました。見てくれたお母さん、ありがとうございました。
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