かわむら こども クリニック NEWS  平成12年10月号


IT革命

 皆さんは、ITという言葉を知っていますか。テレビや新聞でも盛んに取り上げられているし、コマーシャルでもIT革命、e-ビジネスなどの言葉も出てきます。本来の意味もわからずITを口にしていた森総理も、最近少しづつ意味を理解してきているようです。 まずITを日本語に直すと、どうなるのでしょうか。ITはインフォメーション・テクノロジーの頭文字を取ったものです。英語の得意な方はすぐわかると思いますが、情報技術という意味です。ITは言葉の響きが似ているため、よくインターネット(INET)と誤解されます。しかしこのITの意味はもっと広い範囲を指し情報通信技術だけではなく、インターネット、コンピューターや携帯電話などを使ったビジネスやコミュニケーションなども含んでいます。
 医療分野でも、ITの進歩には目覚ましいものがあります。まだ実験段階ですが遠隔診断というのがあり、たとえば病院まで距離が遠く通院が困難な場合の応用が考えられています。病院と自宅の間にテレビ電話がつつながり映像だけでなく血圧や心電図などの情報を一緒にを送れば、病気の状況などについて医師の指示を受けることができます。また症状や経過に合わせて薬の処方や変更も可能です。同じようなこととしては救急車から収容先の病院へ、心電図を電送されています。またCTやMRI(磁気によって体の輪切りの写真を撮影する方法)を大学病院などの専門家に診断してもらうために、画像を送ることも行われています。その場に居なくても手術が出来るという遠隔手術が現実となるもの、夢ではないでしょう。
 しかし身近に感じられるITは、インターネットでしょう。御存知のように、i-MODEもインターネットの一つです。このi-MODEでは、インターネットの仕組みを知らなくても使えるものです。新しい技術が普及する条件としては、その技術を意識しなくても使えるということが大切です。という意味では、i-MODEはかなり画期的な日本独自の技術なのです。インターネットの仕組みを理解してパソコンを購入し、プロバイダーと契約し様々な設定をして接続をするということは、なかなか敷居が高いものです。携帯やPHSを使っているうちに、知らず知らずのうちにインターネットが使えるということの方がはるかに簡単です。それを知ってか知らずか、あっという間に1000万台を突破しているようです。しかしi-MODEにも欠点があります。電子メール(e-メール)に関してはパソコン(PC)の差はほとんどありません。ホームページ(サイト)を見ることは可能ですが、画面が小さいため普通のサイトを見ることは不可能です。しかしi-MODEに対応したサイトもどんどん増え、文字情報だけ見ればPCに迫るものになっています。
 パソコンによるインターネットは、もちろん避けては通れません。今年発表された宮城県におけるインターネット接続率は、12.7%になっています。接続率の増加にともない、ホームページもどんどん増えています。極端な言い方をすれば、新聞、雑誌やテレビがなくとも生活ができるような状況に近くなっています。当院のホームページも含め医療情報についても自由に取得できるだけでなく、すべてのジャンル(法律、家事、育児、生活、パソコン、電気製品まで)で、困ったことや悩み事はほとんど解決できるといっても過言ではありません。ニュースや天気予報はもちろんのこと、趣味などの情報を手に入れることができます。インターネットショッピングという言葉で示されるように買い物も可能で、いずれ生鮮食料品まで買えるようになるでしょう。 非常に便利である反面、自由であるが故の問題も出てきています。誰でも自由に情報を流せることと匿名性という理由で、誤った情報や法に触れるような情報も流れているのです。情報の氾濫する状況では、すべての情報が正しいものではありません。情報を得るほうも、正しいものを選択する姿勢がとても大切なことなのです。くれぐれも誤った情報に惑わされないよう、気をつけてください。
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