かわむら こども クリニック NEWS  平成10年11月号


インターネットの医療相談から−2

 インターネットの医療相談のことを、前回と方向を変えて話します。相談は、毎月着実に増え9月末現在では650件を超えました。最近は毎月30〜40件、つまり毎日1件以上になっています。
 相談の内容は様々で、親御さんの心配や不安がほとんどです。またインターネットの特徴としては、相手が見えない、つまり誰かわからないということがあります。なかには名前や居住地(ホームページでは記載をお願いしてあります)など、何も記載もなく送ってくるものもあります。他の医療機関や行政などに直接言えない相談も送られてきて、ある意味ではドラマを見ているようです。相談を検討してみると、年齢では1才までのお子さんの相談が約40%、内容では病気と症状で約60%を占めていました。  動機を次に列挙してみます。
・病院にかかるほどではないが心配な場合
 ある意味では単純な心配で、最も多い相談の動機です。
・保護者が聞けなかったり、医師の説明不足の場合
 メールの内容にかかわらず、聞けなかったのか、話してもらえなかったかの区別は簡単ではありません。片方の言い分しか聞いていないので。
・外国のためコミュニケーションが難しい場合
 もちろん海外在住の日本人です。アメリカがもっと多いですが、各国から来ています。数の割合からは5%前後でしょうか。これもインターネットの特徴の一つです。
・セカンド・オピニオンを求められる場合
 かかりつけの先生の診断を受け説明も聞いているのですが、もう一つの意見として求められているものです。
・無料相談と割りきられている場合
 大きく分けると以上のようになります。
 果たして医療相談は役立っているのでしょうか。患者さんを診ない相談ですから、確定的な診断はできません。目的は当院の開業理念と同じ「母親の不安・心配の解消」です。医療相談のお礼や感謝のメールは、約半数の方から頂いています。またインターネット雑誌(10月号2件、11月号1件)や単行本、テレビなどで紹介されていることから、ある程度評価され役立っているのでしょう。
 この相談にも問題があります。一つは、患者を診ないということです。もう一つは緊急性には対応できなということです。電話とは違って、こちらがメールボックスを開かないとメールを見れないわけです。たまたま偶然が重なって、緊急性に対応できた相談がありました。アドバイスによって総合病院を受診、入院。その後手術により事無きを得たお子さんがいました。この件については、お知らせしたように11月29日(日)、フジテレビ系列(仙台放送)「発掘!あるある大事典」で、小生のインタビューも含め紹介されます。
 ボランティアの仕事ですから、雑誌やマスコミでの評価や相談者の声、例えば“医師の声は,我々一般人にとって絶対であり,何気ない一言で不安を解消させ安心感を与える事ができます.先生の様なHOMEPAGEは,こうした医師の声を聞く為の大変貴重な窓口だとおもいます.これからもこうした貴重な声を世界に向けて発信していって下さい。”“ありがとうございました。無償でこのようなアドバイスを実際に行っている医師がいることに感銘いたしまいた。これからも世界の子供たちのためにがんばって下さい。”に支えられているのです。時間的・身体的負担が大変ですが、もう少し続けたいと思っています。(グラフがコピーでは、見えないかもしれません。上の数字は総数は600、月別は40です。御判読下さい。)

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