かわむら こども クリニック NEWS  平成8年11月号


インターネットの医療相談から

 インターネットにホームページ(http://www.ifnet.or.jp/~kazu.k/)を開設して、医療相談をしていることを御存知の人も多いかと思います。海外在住で日本の情報を得にくい人から、南は九州から北は北海道までさまざまな質問が寄せられます。
 医療相談は、実際に診察しないとアドバイスできないのが大半です。しかし頼ってくる人に返事を書かないわけには行きません。また文字になるのでいい加減な返答はできません。相談の内容によっては、こちらで調べるのに時間がかかり、最近は相談の数も増え、仕事の量として少し大変になってきています。しかしこれもお母さんたちの心配や不安の解消という当院の開業からのポリシーで行っているもので今後も続けたいと思っています。
 そんな中に「かかりつけの先生には聞きにくいので、お願いします」というものがありました。内容を見てみると、確かにかかりつけに聞いたほうが安心かなというものでした。“聞くと怒る先生”、“何も話してくれない先生”、“聞けないタイプのお母さん”、そして“聞くことができないほどの混雑”ということもあるかも知れません。この相談を目の前にしたとき、どうして聞けないのかと不思議に思いました。しかし、その子が受診している病院の先生は、そのことには気付いてはいないのです。小生もインターネットの相談の内容を見て初めてわかったのです。
 当院はコミュニケーションを大切にしているつもりです。そう思っていても、色々な理由で、聞きたいことが聞けないでいるお母さんもいるかも知れません。言葉は良くないのですが、お金を払って診療を受けているわけです。その分ちゃんと聞くことは聞いて帰りましょう。前にも言いましたが、“薬の袋の中の安心”も一緒に持って帰りましょう。確かに混雑することも多いかも知れません。小生も普通の人間です。カルテが溜まって待ち時間が長くなると、聞きにくい顔をするかも知れません。そんなときは察してやってください。看護婦でも誰でも聞いてください。急がないような質問の場合は、投書箱に質問を入れておいてください。できる限り答えるつもりです。(新聞や掲示で)
 インターネットでの相談の内容は、病気のことより育児上の問題のことが多いようです。育児上の問題の場合は、乳児健診や栄養指導をうまく利用することもいいかも知れません。乳児健診は、無料券の月以外も受けられことはいうまでもありません。(費用はかかりますが)、無料券以外に3カ月、6カ月、1才に受けることが勧められています。また乳児の栄養指導を毎週水曜日に行っています。栄養士が担当ですから、乳児以外でもこどもの栄養上の相談も受け付けています。これは無料になっていますのでどんどん利用しましょう。
 医療にとって大切なものは、コミュニケーションです。インフォームドコンセントも基本はコミュニケーションです。コミュニケーションというのは、一方通行では成り立ちません。双方向的な関係作りのため、小生やスタッフそれに病院を利用していきましょう。

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