かわむら こども クリニック NEWS 平成11年10月号
アクセス数10万件
先日9月23日、当院のインターネットのホームページのアクセス数(訪れた回数)が、10万件を越えました。これって、すごいことなのでしょうか。インターネットに限らず、自分のやっていることを自分で評価することは、とても難しいことです。どうしても、手前味噌になってしまうものです。医療関係だけでなく様々なホームページが無数にあり、もちろん1日のアクセス数が何万件というホームページもあります。そう考えると、当院のアクセス数が10万件というのは、たいしたことではないのかもしれません。
思い起こせば今から3年前、平成8年1月にホームページを開設しました。その時期にはまだホームページを作るソフトもなく、コンピューターとの格闘の毎日でした。「かわむらこどもクリニックNEWS」や「朝日ウイル」に掲載した記事をもとに、「お母さんの不安・心配の解消」を求める不特定多数の人々にという、目的で始めたわけです。開業医における「ホームページがどんなものか」、「なんの役に立つのか」も、その時点では予測することさえ出来なかったのです。また情報を発信するだけでなく、不安を抱えている親御さんにアドバイスする目的で医療相談も始めました。ホームページ開設・医療相談と、小児科開業としては最も早く始めた一人でした。「小児科ミニ知識」や「CLINIC NEWS」の充実と医療相談にまじめに丁寧に返事を書いていくうちに、次第に様々な方面で評価されるようになったのです。初期には「お蔭様で私どもの心配事も解消され、家内も先生へお礼を伝えたいとの事でしたので失礼とは思いましたがメールを発信させていただきました。なにせ我が家にやってきた初めての子どもです。病気の事、育児の事...色々な事で心配事も絶えません。ただ「健康」であってくれれば、ということが私たちの願いです。当初コンピュータの存在に否定的であった妻も、こういった形で(川村先生にとってはご迷惑とは存じますが)健康相談ができるインターネットのすばらしさに感激していました。」との評価も頂きました。医療相談は、北は北海道から南は沖縄まで全国各地から集まるようになり、マスコミなどでの紹介に伴い海外に住む日本人からも相談が来るようになってきたのです。
しかし自分で言うのも変ですが、いろいろと苦労もあるのです。一番は、時間的な問題です。診療に忙しいだけでなく、ホームページの維持や医療相談の返事の労力というのはとても大変なのです。わかりやすく言えば毎日最低1時間(つまり一月当たりと考えれば30〜50時間程度でしょう)は、コンピューターと向かい合わなければなりません。ホームページを知って、受診する患者さんの数も増えてきました。しかし東京の人が来るわけではないので、この労力がクリニックの経営(表現はよくありませんが)に直接的な影響はあまり無いようです。「ではなぜ続けているのか」と、自問自答してみました。なかなか答えは見つかりません。結局は、自己満足と言うことになるのでしょうか。そして、ここまで支えてきたのは何だったのかと、考えてしまいます。
さいわいなことに、ホームページは本、雑誌、テレビなどで評価され、最近の全国誌では必ずと言っていいほど掲載されています。「すっかり有名になったインターネット医療相談の川村 和久先生のホームページ。小児科に関する情報提供と相 談を行っていて、内容豊富で丁寧な解説が評判。過去の相談をまとめたQ&Aコーナーも充実していて読むだけで勉強になる。」など、本当にこちらの心をくすぐるぐらいの評価を頂いています。感謝のメールやこんなことが、続ける支えになっているのでしょう。
地方に住んでいるただの開業医が、このように評価されるのはインターネットのおかげです。まして10万に人に読んで貰えることなんか、全く夢のような話です。この偉業(自分で言うのはおかしいですが)の達成には、一人の力だけでなく多くの人たちの支えの上に成り立っています。まずはアクセスしてる親御さん、雑誌などで取り上げてくれた人たち、リンクをしてくれた方々、そんな見ず知らずの人たちに支えられて、ここまで歩んでくることが出来ました。この場を借りて、支えてくれた人たちに感謝したいと思います。可能なかぎり続けることを、約束して。
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