今回は、久しぶりに趣向を変えて夏休みの学会旅行の話をしましょう。
8月21日から22日に大分で日本外来小児科学会がありました。学会に参加のついでに、九州旅行をしてきました。
最初は長崎。仙台から福岡まで飛行機で飛び、JRで長崎へ。3月末に長崎大学医学部の学生がクリニック実習に。色が真っ黒、いやにひねた学生という印象で、名前は村山君。真っ黒けの理由は、バリ島で実習とダイビング。たった1日の実習で妙に馬が合い、学会のついでに再会を約束。13:30長崎駅に迎えにきた彼は観光スケジュールをたて、まるで添乗員のようなかいがいしさ。添乗員の案内で、まず向かったのは長崎原爆資料館。資料館では1945年8月9日の原爆投下後の悲惨な状況が様々なカタチで紹介。テレビなどで観る状況とは異なり、実際に展示されている品々から原子爆弾や戦争の悲惨さがひしひし。はじめての訪問、日本人である以上一度は訪れなければならない場所と痛感。その後、洋館の建ち並ぶグラバー園、オランダ坂、そして夕食は中華街。中華のコースにチャンポンが入っていたのは驚き。夜は、稲佐山にロープウエイで登り長崎の夜景を堪能。ラブラブの二人のデートコースで男二人が記念写
真。何か誤解されたのかも。次の日はダイビング。五島へ行く予定が、台風接近のため断念。辰ノ口という所で、医学生3人と医師の珍しい組み合わせでダイビング。旅行の目的の一つ目を達成。
次は熊本。ワクチンメーカーの工場見学と講演という理由。移動は高速バスで3時間、ちょうど台風の激しい雨の中の移動。でもバスが着いた途端、青空で歓迎。とりあえず昼食は熊本名物、中華風春雨料理の太平燕(タイピーエン)に舌鼓。いつの間にか炎天下の中での観光になり、加藤清正の熊本城、細川忠利の水前寺公園、宮本武蔵の五輪書で有名な霊厳洞を巡る。旅の楽しみの一つは美味しいものを食べること。夕食は城見櫓という場所で、ライトアップされた熊本城を見ながら郷土料理。名物の馬肉は、今までの馬肉に対するイメージが一新されるような美味しいもの。他に人文字のぐるぐる、からし蓮根、だご汁など、熊本名物のオンパレード。翌日は、仕方なく仕事(冗談)。ワクチンメーカーの工場見学と社員に対する講演会。これで目的の二つ目を達成。昼には、名物の熊本ラーメン。もう太りそう。
熊本からはJRの九州横断鉄道で大分へ。昔懐かしいディーゼル機関車、スイッチバックで阿蘇を登る。九州横断鉄道とは名ばかりで実は単線、しかし雄大な阿蘇を眺めながらゆったりした旅の気分を満喫。大分まで、またまた3時間。夕方からは役員会、本当の仕事の始まり。翌日の学会は、ほとんどは聞き役。学会には書籍コーナーがあり、事前に自分の著書の展示をしっかり連絡。昨年の仙台の学会では連絡ミスで著書が不足。学会の空き時間に、自分著書を確認に。少しカッコつけて名刺を差し出し著者の川村と挨拶。見渡すと、あるわあるわ100冊以上。あまりの多さにびっくりして、急いで引き返し。申し訳なさと良すぎる性格で、自分の書籍を定価で3冊も購入。何か、すごく損した気分。その夜の夏フグで、気分を晴らすことに。ちょっと舌の先がしびれるような不安で食べたフグの胆(後で調べたら胆というのは勘違いで、白子焼でした)。はじめての夏フグに、昼間の気分もすっかり忘れて。食べ物の話ばかりでも、2日目にはしっかり座長(講演会の司会)の責務を。これで三つ目の目的達成。重積後(ちょっと大げさ:言い訳)の解放感もあり、午後からは猿の餌付けで有名な高崎山。あまりの数の猿に驚き、猿の子育ての姿に感動。続いて別
府温泉の地獄巡りへ。温泉の問題が沸き上がっている中、別府の温泉はやはり本物と納得。ボコボコ、シューと吹き出る地獄を巡りながら、死後には行くまいと。地球の中から湧き出る神秘的な大きな力に感動。
もうそろそろ旅の終わり。大分から福岡まで、 “YUHUIN NO MORI”号に乗車。外観も車内もレトロ調で見たことの無い列車。わざわざ遠回りした後悔も無く、ゆったりとした旅と美味しい駅弁を満喫。
今回は様々な事情が重なって一人旅となりました。仙台から福岡まで飛行機で2時間、九州内の移動にはバスと列車で10時間以上費やしました。こんなのんびりとした旅行は久しぶりです。休みでは皆さんにはご迷惑をおかけしたかもしれません。この夏休み、スタッフ一同、冬の忙しさに立ち向かうに充分なリフレッシュをさせてもらいました。ありがとうございました。
2008.1.5更新(愛知の鈴木氏の指摘で:感謝)