かわむら こども クリニック NEWS  平成6年9月号


医療費について

 病院の医療費について皆さんは、どのくらい理解しているでしょうか?。窓口での、請求も、時々変わるかも知れません。
 今回は、医療費について、少し書いてみましょう。医療費は、病院でも当院の様な医院(本当は診療所というのが正しいのですが)でも、料金は変わりません。一般の外来の場合、病院の規模やDr(1年目も20年目も、優しくても怖くても)によって、変わることはありません。医療費は、健康保健法という法律によって、定められているためです。
 さてどんなふうに、医療費は計算されているのでしょう。まずひとつは、病院にかかるための費用です。初めて病院にかかる場合は初診料、同じ病気で続いてかかる場合は再診料となります。初診料、再診料とも年齢によって変わり、2才未満、6才未満、6才以上に分けられています(もちろん年齢が低いほど多少高くなります)。他には、外来管理料などが含まれますが、当院の様に院外処方の場合は、処方箋料となりお薬代がないため、大体一定した診療費用となります。気管支喘息などの慢性の疾患が有れば、それぞれも病気に対する指導料が含まれることもあります。他には、点滴をするとか、傷や火傷の処置をすることなどによっても費用は変わります。
 初診料と再診料の区別はどうするのでしょうか。時々窓口で、料金の違いで、不審に思うことがありませんか。では少し説明しましょう。仮に1日(何月でも構いませんが)に、風邪で受診し薬をもらって、その後2回受診したとしましょう。当然、初診料1回、再診料2回と計算されます。3回目の受診の時、湿疹があり薬をもらった場合はどうなるでしょうか。これは当然、風邪が治っていないので、湿疹(新しい病名)が加わっても、初診にはなりません。但し風邪が治って、しばらくして湿疹で受診した場合は、病名が異なるため、同じ月であっても初診となってしまいます。多少誤解があるかもしれませんが、薬をもらったり、吸入をするだけでも再診料は同じです。診察を受けても受けなくても費用は同じなので、必要がある場合はなるべく診察を受けるようにしましょう。もうひとつはお願いなのですが、再診料のなかには、電話再診というのがあります。本来は、電話による相談も再診料が必要だということも知っておいてください。
 次に、乳幼児の医療費の無料化について考えてみましょう。現在仙台市では、2才までの外来と入院、3才までの入院に対して医療費の助成制度を導入しています。1972年導入され、当時は所得制限無しで、助成が受けられていました。しかし1984年からは、所得制限が持ち出され、1992年から現行の所得制限となっています(扶養家族2人で年収390万円が基準)。他県をみても様々で、所得制限無しで、助成をしているところもあります。皆さんはどう考えますか。現在出生数が年々減少し、将来的には老人を支える人口が少なくなり、若者(今の子供達)の負担の増加が問題視されています。状況の緩和のためには、少しづつでも出生数が増えていくことが必要であり、子供を産み育てる環境を整えていくことが大切です。もちろんそのための条件は、沢山あります。私達の立場からは、安心して子供が医療を受けられるということもそのひとつと考えています。近年は、ますます社会は老齢化し、「福祉、福祉」と叫ばれています。社会が老齢化して、老人が増えれば福祉が老人のほうに傾くのは止むを得ません。しかし、その老人を将来的に支えていくための今の子供達に、より以上の福祉を求めてもいいのではないでしょうか。今後ともこの問題を少しづつでも進め、安心して医療が受けられる環境作りに、努力していきたいと思っています。
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