かわむら こども クリニック NEWS  平成9年11月号


こどもの健康週間を振り返って

 10月26日(日)に「こどもの健康週間」が開かれ、小生がパネルディスカッションで司会をしたことはご存知の方も多いと思います。その内容と印象について、ちょっと話してみたいと思います。この会は日本小児科学会が毎年開催し、保護者のための講演会が主な内容になっています。
 今年のメインテーマは、「現代育児考」で子育ての問題を中心に取り上げました。特別講演は聖母会天使病院の南部春夫先生に「こどもをめぐる問題と楽しい生活」という題でお話しいただきました。子どもたちの問題や症状を発達年齢に応じて解説されました。また今日的問題のアトピー性皮膚炎や喘息が子どもたちに与える影響、親や医師の不安の現状、不登校や摂食以上がこどもの強い意思表示であること、喧嘩やいじめをどのように理解し対応すればよいかなどについて述べられました。後半は子どもたちの豊かな感性や運動発達に沿った関り方がわかれば、親と子の楽しい生活は自然に展開されるということで締めくくりました。
 パネルディスカッションは「子育てトーク&とーく」という題で行なわれました。宮城教育大の佐藤さん、東二番町幼稚園の渡辺さん、基督教育児院の竹田さん、保健福祉センターの高橋さん、桂内科こどもクリニックの下田さんからそれぞれの立場から、育児上の話題が提供されました。母子関係の在り方、父親の役割、父親の育児参加、父性とはなど家庭を中心とする内容についてと、幼稚園や母子が分離された状態など社会の問題について問題を浮き彫りにしました。
 特に印象に残ったのは、父親の役割ということでした。本紙にも同じ題で書いたこともあるので、お持ちの方はもう一度読んでみて下さい。話は途中から多少脱線して、いかに母親というものが大変であるかということに集約された帰来があります。父親がただ育児を手助けすのは、必ずしも本来求められている父親の姿ではないように思います。かといって、父親というのは一生懸命働いているいる大きな背中を、見せていればよいというものではありません。最近の男達は弱くなってきているのでしょうか。お母さんの代わりをする男は、父親でなくてもいいのかも知れません(これは考え方によっては誤解されるかも知れません)。男と女が問題ではなく、父性と母性が問題なのです。
 小生はパネルディスカッションの女性と司会の労災病院の遠藤先生(女性です)の計6人の女性に囲まれた司会でした。これが意図されたものか、女性が強くなってきたことの表れなのかは、定かではありませんでしたが、何とか男の面目を保つようにしていました。
 かなり内容は興味深いものでしたが、残念ながら一般の人の集まりはいまいちでした。ポスターやチラシも配っていたのですが、ちょっと残念な思いでした。しかし当院の患者さんのお母さんの姿がみられ、ホット安心した集まりでした。
 また来年も「こどもの健康週間」があります。その時は参加していただけるように、今からお願いしておきます。参加してくれたお母さん、ありがとうございました。

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